ちびうさは、武内直子作の漫画作品『美少女戦士セーラームーン』に登場する架空の人物。アニメ版で声を演じた声優は荒木香恵。

ミュージカルでの子役は宮川愛、川崎真央、白井珠希ディア、竹中夏海、郡司あやの、伊澤有梨須、高畠華澄、廠のえる、山本愛星、大田ななみ、大野真緒、堀田実那、大崎望絵。
海外名はRini(リニ)。
人物[]
原作・アニメの第二期から登場したキャラクター。30世紀のクリスタルトーキョーにある月の王国シルバーミレニアムの王女で、ネオ・クイーン・セレニティとキング・エンディミオン(実は未来のうさぎと衛)の娘。フルネームは「プリンセス・うさぎ・スモールレディ・セレニティ」といい、次代のシルバーミレニアムのプリンセスでもある。30世紀のクリスタルトーキョーから、自分の母親の過去の姿でもあるうさぎ達のいる20世紀に時空を超えて来ているが、周囲にはうさぎの従妹とごまかしている。
見た目は幼い少女だが、実は900年ほど生きている(原作で語られた設定だが、アニメでは見た目どおりの年齢の可能性が高い)。変幻自在の未来アイテム「ルナPボール」を所持。これを使って、うさぎの両親や弟を洗脳して自分を「月野家の親戚の子」と認識させていた。またボールは弾ませることによって特殊な能力を発揮し、ルナPボールを様々な物に変えることができる(アニメでは「ルナP変化」と掛け声をかける)。原作では登場当初、ボールを使って寂しさを紛らわしたり、ゲーセンでゲームを操作したりしていた。アニメでの登場当初はボールを介してセーラープルートと連絡を取り合っていた。
外見や性格は母親似で、かなり自己主張が強いタイプ。ただし体が弱い土萠ほたるを励ましたり、命がけで彼女を守ろうとするなどの優しさも持っている。ピンクの髪をうさぎと同じくシニヨン付きツインテールにセットしているが、シニヨンが尖っており、お団子とは言いがたい。スモール・レディとも呼ばれる(ブラックムーンからは「Rabbit(ラビット)」と呼ばれている)。
主人公の月野うさぎは中学2年生であり周辺登場人物もそれに近い年齢設定だったが、このちびうさの登場によってなかよし読者層、特に小学校低学年女児の人気は一気に彼女へと傾いた。1994年になかよし誌上で行われたセーラームーンのキャラクター投票では、主役月野うさぎを抑えてちびうさが1位になったほどである(ただしこの集計では月野うさぎとセーラームーンなど変身前と後の人格を分けて集計している)。
プロフィール[]
- 年齢:900〜902歳(外見上は8歳)
- 誕生日:母親(主人公)と同じく、6月30日
- 誕生石:真珠
- 星座:蟹座
- 性格:かなりワガママ
- 血液型:O型
- 好きな色:赤、ピンク
- 好きな食べ物:プリン
- 苦手な食べ物:ニンジン(64話まで)、魚(67話まで)
- 好きな教科:図工
- 苦手な教科:国語
- 趣味:うさぎのグッズ集め
- 特技:おねだり
- 将来の夢:レディになること
ストーリーへの絡み[]
初登場[]
原作では最初期の大ボス、クイン・ベリルとクイン・メタリアを倒した回の末尾ページで登場。平常時のうさぎと衛を銃(実はおもちゃ)で脅迫して『幻の銀水晶』を要求するというショッキングな展開を見せた。
アニメ版では「R」前半2クールでのアニメオリジナルの「エイルとアン編」の後に登場。原作同様うさぎと衛の前に現れ、その後うさぎの家族をルナPボールの力で洗脳して月野家の従妹と名乗ってうさぎの家に居候する事になる。
過去へ来た経緯[]
30世紀のクリスタル・トーキョーがブラックムーン一族の襲撃を受けた際、ネオ・クイーン・セレニティやセーラー戦士の助けを借りて20世紀の世界へ逃げてきた[1]。実はクリスタル・トーキョーが攻撃を受けたのは彼女が母のまねをして『幻の銀水晶』を手に取ろうとして誤って『幻の銀水晶』を消失させてしまった[2]ためであり、このこととネオ・クイーン・セレニティが自分を庇って(原作では、探してパレスから出たところを)攻撃されクリスタルに包まれる瞬間を目撃したことがちびうさの大きなトラウマになっていた。
登場当初は『幻の銀水晶』を探していた[3]が、それは『幻の銀水晶』の力で母を救おうと考えていたためであった。後にうさぎ達がセーラー戦士に変身するところを目撃し、自分の友達になってくれたうさぎやレイ達がいつも自分を助けてくれるセーラー戦士であることと同時にうさぎが『幻の銀水晶』を持っていたことを知り、母を助けるために『幻の銀水晶』が入ったうさぎの変身ブローチを勝手に持ち出して未来へ帰ろうとしたが、結局失敗に終わり、その際ちびうさを助けようとしたうさぎ以外の四人のセーラー戦士がルベウスに捕まるという事態を招いてしまう。その後、ちびうさはセーラー戦士達が捕まったことに責任を感じ、うさぎがルベウスのUFOに乗り込んだ際に自分も一緒についていき、UFOの制御装置である邪黒水晶を破壊するという活躍を見せた[4]。
ブラック・レディ[]
その後、ちびうさはうさぎ達と共に30世紀の世界へ戻ったが、うさぎの『幻の銀水晶』の力でもネオ・クイーン・セレニティが目覚めないのを知ってショックを受け、クリスタルパレスの外へ一人で飛び出してしまう。その際にワイズマンと遭遇、彼が仕掛けた罠にはまって自分の心の闇(前述の銀水晶を消失させてしまった事件)につけ込まれて記憶を歪められ、「自分は誰にも愛されていなかった」と思い込まされてしまう。洗脳されたちびうさはワイズマンの力によってうさぎたちの年齢を少し上回る大人の姿に変身させられ、ブラック・レディと名乗り、ブラック・ムーン一族の新たな幹部となってセーラームーン達の前に立ちはだかる事になる。その後は自ら世界を滅ぼすために動き、また洗脳されてセーラー戦士を憎むよう仕向けられていたためにセーラー戦士達にも敵意を向けていたが、最終的にセーラームーンとタキシード仮面の説得で本当の記憶を取り戻し、救出された。
原作ではワイズマンに洗脳される経緯が異なっており、彼女が未来にいた頃の出来事が原因とされ、その出来事が描かれている。未来にいた頃のちびうさは、額に月の印(プリンセス・セレニティやネオ・クイーン・セレニティの額にある三日月形の金色の印)がない、クイーンのような力がないなどの要因により「クイーンに似ていない」「偽の王女だ」と周囲の人々にいじめられ、孤独な日々を送っていた。そしてある日同年代の子供たちにいじめられた際、「プリンセスなら『幻の銀水晶』が使えるはずだ」と言われた事がきっかけで母の『幻の銀水晶』を持ち出したためにブラックムーン一族のクリスタル・トーキョー襲撃を引き起こしてしまったことが語られる。その際にセーラープルートとの出会いも語られており、彼女とはいじめっ子に追いかけられていたとき偶然出会い仲良くなった。しかし、物語後半でそのプルートがキング・エンディミオンとの会話でちびうさに見せたことのないような笑顔を見せていたことにショックを受け、その結果「自分の居場所はどこにもない」と絶望してしまう。
プルートのいる時空の門から荒れている時空へ飛び出した際に時空の鍵を落とし、その先でワイズマンに遭遇。前述した「自分の居場所はどこにもない」という絶望につけ込まれてブラック・レディに変身する。その後、時空の鍵を持たず姿を消したちびうさを探していた衛を捕まえて洗脳し、ワイズマンに操られたデマンド・サフィール兄弟と共にクリスタルトーキョーを襲撃、洗脳した衛を使ってうさぎの持つ『過去の幻の銀水晶』を奪う。しかし、その直後に自身の持っていた母の『未来の幻の銀水晶』と『過去の幻の銀水晶』とをデマンドに奪われてしまう。最後は2つの『幻の銀水晶』を接触させて世界を消滅させようとしたデマンドを止めるため、禁忌とされていた時間停止を行使したプルートが絶命したのを目の当たりにしたことで洗脳が解けて元の姿に戻り、その際に自分の『幻の銀水晶』の封印が解かれセーラー戦士に変身し、それが母を目覚めさせるきっかけになった。
その後[]
未来での事件が終わった後は一度30世紀へ帰って行ったが、「S」(原作では第2部ラスト近く)の後半より、ネオ・クイーン・セレニティに「真の友達探しとセーラー戦士の修業」の課題を与えられ、再び20世紀へ戻って来る。少し成長したちびうさは、自らの『幻の銀水晶』をブローチに納め、セーラー戦士見習いセーラーちびムーンに変身し、戦いに加わることになる。また変身すると少しだけ身長が伸びるという設定がある[5]。
「SuperS」では準主人公で、ちびうさとペガサスの交流がストーリーの中軸となっている。このシリーズではうさぎ同様スーパーセーラーちびムーンへと成長を遂げ、変身・登場のバンクシーンもうさぎと1セットになっている。
4部終了で再び未来へと帰るが、原作5部のラストではさらに成長を遂げて、自分の守護戦士であるセーラーカルテットと共にうさぎを助けに現代にやってくる。
セーラーちびムーン[]
月を守護星に持つ未来の戦士[6]。
セーラー戦士見習い。アニメでの必殺技は威力と射程に欠け、しかもしばしば不発である。セーラームーンと同様、お団子についたパレッタに音波増幅器を内蔵。 決め台詞は「愛と正義のセーラー服美少女戦士見習い、セーラーちびムーン! 未来の月に代わってお仕置きよ!」。イメージカラーはピンク色。
アイテム[]
- ルナP・ボール
- ルナの頭を模した様なデザインの球。額部分にアンテナがついており、アニメではこのボールを地面で鞠のように弾ませて「ルナP変化」を発動させる(原作では弾ませた際に、傘を取り出したりしている)。また、アニメ版ではプルートと通信できるようになっていた他、ブラックレディになった際にもルナPボールを操り、様々な攻撃を繰り出していた。
- 時空のカギ
- 時空の門を開くための鍵。原作では元々セーラープルートが持っていたが、過去に渡る際にプルートの腰についているチェーンから強引に取り、母の『未来の幻の銀水晶』と共に持っていた。
- ピンク・シュガー・コンパクト
- 初登場時にちびうさが持っていた変身ブローチ。
- ピンク・ムーン・スティック
- ちびムーンが必殺技発動に使用する武器。
- ちびムーン・カレイドスコープ(劇場版・原作第4期)
- 原作第四期と劇場版でちびうさが使用した武器。スーパーセーラームーンの武器「カレイドスコープ」と同じもの。
- ディープ・アクア・ミラー(原作第四期前半)
- セーラーネプチューンのタリスマン。外系戦士たちが一度離れる際、みちるがちびうさに手渡した。返す際に何故かサブマリン・ミラーと表記。
- ちびムーン・コンパクト
- 第四期でちびうさが使用する変身ブローチ。
- クリスタル・カリヨン
- ちびうさがペガサス(エリオス)からもらったベル。ハート型のリングに鐘形の鈴がついた形をしており、アニメ版ではセーラームーンが必殺技を使う際にはこれを鳴らしてエリオスを呼ばなければならない。原作では手のひらにすっぽり収まるサイズの鈴で、名前は出てこない。また、ちびうさがエリオスを呼ぶときに使うのが基本だが、エリオスの側から鳴らしたこともある。また、必殺技の発動には関与しない。
- スタリオン・レーヴ(アニメ第四期より)
- ペガサスと交信できる道具。
- 幻の銀水晶(ピンクムーン・クリスタル)
- ちびうさのセーラークリスタル。原作4期末で太陽系戦士たちがはじめてエターナル化した時に、それぞれのセーラークリスタルが星型に変化した際、『幻の銀水晶』も変化してちびうさ固有のクリスタルになった。
変身呪文[]
- ムーン・プリズムパワー! メイクアップ!
- ムーン・クライシス! メイクアップ!
- ピンクムーン・クリスタルパワー! メイクアップ!(原作第4期末~第5期)
セーラーちびムーンの必殺技[]
- 超音波攻撃(第四期にセーラームーンと共に一回のみ使用)
- ムーン・プリンセス・ハレーション(原作第二期)
- 母のムーンロッドを借りて、セーラームーンと共に攻撃した。
- ピンク・シュガー・ハート・アタック(第三期)
- アニメではピンクムーンスティックからハート型のリングを飛ばして敵に当てる技であり、他のセーラー戦士の技と違って浄化技では無く、物理的攻撃(リングで敵に打撃を与える技)であり、「重力の影響からか、相手に届く前に落ちる」「肝心な時に出ない…かに見えたが突如暴発して自分に当たりそうになる」など使いこなせておらず、当たったとしても多少痛い程度で大したダメージにはならないため、そのポジションはギャグ的要素な技である。原作では、ロッドの先からエナジーを放つ技であり、威力は若干低いものの、他の戦士同様に浄化技になっている。
- トゥインクル・エール(原作・アニメ第四期。一角天馬召喚)
- クリスタルカリヨンの鈴を鳴らす事によって、一角天馬(エリオス)を召喚する技。アニメではエリオスを召喚しないと、セーラームーンが必殺技を使う事が出来ないので、非常に重要な技となっている。
- ムーン・ゴージャス・メディテイション(原作第四期・劇場版SS)
- ピンクシュガー・タキシード・アタック(タキシード仮面との合体技。原作「かぐや姫の恋人」)
- ピンクレディース・フリージング・キッス(セーラーカルテットとの合体技。原作第五期)
- スターライト・ハネムーン・ダブル・セラピー・キッス(ムーンとの合体技。ミュージカル、原作「ヒミツのハンマープライス堂」)
ブラック・レディ[]
ちびうさが第二期終盤でワイズマンに洗脳され、ブラックムーン一族の幹部になった姿。ワイズマンから与えられたダークパワーの影響で急成長して成人女性の姿をしている。容姿はちびうさの母でもあるうさぎに酷似しているものの目つきは冷たく、黒いドレスとピンクの羽衣のような布をまとっている。また、額にブラックムーン一族と同じ、上下反転した黒い三日月のマークがある。
アニメ版ではワイズマンに洗脳された影響で記憶を歪められ、「自分は誰からも愛されていなかった」と思い込んでいる。そのためにセーラー戦士達を強く憎んでおり、彼女達に積極的に攻撃を加えていた他自ら世界を滅ぼすために動いていた。
主な能力として強いダークパワーを操ることができるほか、ちびうさだった時と同じようにルナPボールを様々な物に変化させて攻撃することができる。
ゲーム「Another Story」ではヘル・デスティニーに運命を変えられたことでちびうさとは異なる存在になり、シャーマン・アプスーの配下としてセーラー戦士たちの前に現れる。
脚注[]
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- ↑ 原作では、セーラープルートから時空の鍵を奪って20世紀の世界へ「最強の戦士」と父から聞かされていたセーラームーンに助けを求めてきた。
- ↑ 実際には『幻の銀水晶』は消えておらず、ちびうさの体の中に宿っていた。原作では銀水晶を持ち出しており、ネックレスにして所持している。
- ↑ 原作では最初からうさぎが銀水晶を持っていることを知っており、密かに狙っていた。その後アニメ版の展開同様銀水晶を勝手に持ち出し、未来へ帰ろうとするが失敗する。
- ↑ 原作では、美奈子以外の戦士達が1人ずつルベウスに捕らわれていく中で次第に警戒心を解き、時空の鍵を利用してうさぎ・衛・美奈子と共に未来へ戻った。
- ↑ 「美少女戦士セーラームーン設定資料集」より
- ↑ 「美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY」取扱説明書より
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